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『分別タイム』 Written by Takumi


ひょんなことから政界を追い出されたヴィク&ユー。
金も地位も失った彼らが身を置くのは、小汚い四畳半一間のアパートだった。
だがどんなに小さな家でも、そこは彼らの愛の巣。
抜きつ挿られつと日々愛に励む2人は、これまでにないほど満ち足りた生活をしていた。
そう、あの日。
ヴィクトールが初めてのボーナスに浮かれ帰ってきた、あの日が来るまで…。


「今帰ったぞ!」←珍しく浮かれたヴィク
「おかえり…ってどうしたの?なんか良いことでもあった?」←当然裸エプロンのユー
「さすがだな、ユージィン。これを見ろ!」←懐から取り出した一枚の封筒
「え…あ、これってもしかして…」
「そうだ!ボーナスだ!!」
「わ〜、すごいすごい!じゃあ今日はご馳走だね♪」
「俺にとってはお前が何よりのご馳走だ…」←オヤジヴィク(笑)
「ふふ…バカだなぁ。…ぁ、ん…」
「やはり裸エプロンは譲れんな」←ヴィクの要望で夏冬関係ないユーの制服
「手間が掛からなくて…良いってこと?…ん、そこ…っ」
「そう急がなくても、今夜はゆっくりほぐしてたっぷり泣かせてやる」
「や、…焦らさ、ない…」
「心配するな。明日は金曜だし…お前も俺も、久々に朝まで…」
「金曜日!?」←がばっとヴィクを押しのけるユー
「……それがどうかしたか」←あっけにとられるヴィク
「た、大変!ゴミの分別!まだ全然手つけてないんだよ!!」←所帯じみたユー(笑)
「そんなこと明日でも良い…」←再び押し倒すヴィク、根気強い
「今すぐやらないと!もう明日失敗したらあとがないんだよ!」←それを再び押しのけるユー(笑)
「ユージィン」
「あぁもう!汚れたプラゴミは燃えるゴミだったかな、それとも普通の…分別表どこに放ったっけ」
「ユージィン」
「あ、その前にゴミ袋…まだ枚数残ってたかな。何色がどのゴミかなんて、ホント面倒なこと始めたよね。今度エーリヒにやめさせるよう言っておかないと」←エーリヒには頻繁に会ってるらしい(笑)
「……俺とゴミの分別と、どっちが大切なんだ」←言っちゃったよ…
「下らないこと言ってないで、ほら、ちょっとどいて」←そして邪険にされるヴィク
「お前…それが初めてのボーナスを持って帰った俺への態度か!」←短気ヴィク(笑)
「……じゃあ言うけどね」
「な、なんだ」
「燃えるゴミ・燃えないゴミの2分別で済んでた昔とは大違いなんだよ!ビン・缶・ペットボトル・プラスチック類・古紙…しかも汚れたプラスチックは燃えるゴミに分別されるって、君知ってるかい?」
「いや…」
「それだけじゃないんだよ!ゴミステーションの使い方も色々ルールがあって…それでなくてもゴミ出しの時裸エプロンで出ていくから僕目立っちゃうし、あそこの奥様新しい健康法にチャレンジ中なんですよ、あらそれってもしかしなくてもノーパン健康法?なんて隣近所の奥様たちから嫌味を言われたり」←むしろ話しかけてくれるだけ友好的だ(笑)
「お、おい」
「大家さんだって毎回僕の分だけゴミの中身チェックするんだよ!アフォルターさん、これは分別違いますでしょって目の前で僕と君の残滓を吸ったティッシュをつまんで見せてくるんだよ!?精子は何ゴミなんだよ?ねぇ、ねぇ!」←すげー大家だな…
「お、落ち着け、ユージィン…」
「時々わざと僕の家のゴミ袋だけゴミステーションに置きっぱなしにされてるし!ちゃんと分別してるのに、だよ!?出勤前にそのゴミ袋を見た僕の心境が君にわかる?あまりの動揺に仕事先でもお客さんに「ユージィン君、肉に湯通しすぎだよ」って注意されて「君のここはどうかな?」ってしっかりお尻までさらわれて…いや、それは良いんだけど」←カールか…
「……良くないだろ」
「とにかく!僕がこうして毎回苦労してゴミ捨てしてるっていうのに、言うに事欠いて君は『そんなこと』だって!?」
「いや、その…」
「それでなくてもうちはティッシュゴミが多いって言うのに!」←毎晩お盛んです(笑)
「それは、まぁ、お前が誘い上手の床上手だから…」
「なんだよ!僕が悪いって言うのかい!?」
「いや、そーゆーわけじゃ…」
「まったく!親の心子知らずじゃないけど、君って本当に何も分かっちゃないよね!あ〜あ、理解のない旦那は何ゴミになるんだろうね!」←ものすごい暴言ユー(笑)
「お前!それは言い過ぎだろう!?」
「じゃあなに?君は僕が毎週頭を悩ませてるゴミの分別はそれほど文句を言うほどじゃないって言うの?」
「誰もそんなことは…そもそも今日は俺のボーナス祝いじゃ…」←話を戻すヴィク
「……それ、中身よく確かめてみた?」←疑わしげなユー
「なんだと」
「いくら入ってたか、もう確認したかって聞いてるんだよ」
「いや…お前と一緒に見ようと…」
「じゃあ開けてみようよ。それでもし十分な額だったら、今夜はサービスしてあげる」
「サービスって?」
「ようこそ48手の世界へ、松葉崩しから亀甲縛りまで腰が抜けるまでつき合うよ」
「……駄目だった場合は?」
「そりゃ…ねぇ?」←邪眼が光るユー
「……………」
「良いから早く開けようよ。話はそれからだろ」
「あ、あぁ……っ…!」←出てきたものに絶句するヴィク
「どう?いくらぐらい入ってた?それとも明細だけ?」←期待に身を乗り出すユー
「……いや、あの…それが……」←口ごもるヴィク
「なんだよ、勿体ぶらないでハッキリ言ってよ。5枚?それとも10枚?」←ヴィクへの評価はその程度か…
「えっと…に、20枚だ」
「うそ!ほんと?すごいよ!これで今度こそ洗濯機が買える!!」←今まで手洗い(笑)
「ただし、近所の焼き肉チェーン店の割引券が、な…」←なんと!
「…………なに?」←笑顔が一瞬こわばるユー
「だからその、いわゆる割引券だ。1枚につき100円の割引。よって2000円分割引される」←扇形に割引券を広げてみせるヴィク
「……で?それをどうしろって?」←一変して極上の笑顔
「ボーナスだと思ったんだ!」←逆切れヴィク(笑)
「なんでだよ!君、もしかして平民暮らししてる間に知能指数低下したんじゃないのかい!?」←同じく切れて暴言三昧のユー(笑)
「親方が、これで奥さんと美味いもんでも食えって言ったんだ!」←意外と現場では好かれてるヴィク
「だからってそれがなんでイコールお金になるんだよ!中身ぐらい確かめて帰ってよ!」
「お前と一緒に見て喜びを共にしようと言う、俺の優しさがわからんのか!?」
「なんで普段は用心すぎるくらい用心深いのに、こーゆー時だけ小細工するかなぁ」
「文句を言うなら、この券はもうやらん!」←袋ごと握りしめるヴィク
「あのねぇ、どうせもらっても今のうちの財政じゃとてもじゃないけど焼き肉なんか食べに行けるはずないだろ」←そのヴィクに追い打ちを掛けるユー(笑)
「む……じゃあこれは…」
「燃えるゴミ行き。短い命だったね」
「そう、か…」
「じゃ、そういうことで。僕はゴミの分別してから寝るから、君は先に…」
「待て!」←ユーの腕を掴んで押し倒す
「なに…う、わ…!ちょっとヴィク、どこ舐めて…ぁ、ん!」←始まりました、恒例のアレです
「毎日ゴミの分別をしてくれるお前に、俺からのボーナスだ」←棒なす…
「な、にそ……やっ、ソコ汚い…!」
「明日はティッシュだらけのゴミ袋を出して、奥様連中を見返してやれば良い」←嫌だなぁ(笑)
「ぁ、あぁ…っ…ん、」


そして鳴り響く愛のメロディー。
嗚呼、今日も狭い四畳半には男たちの愛と液にまみれた夜が繰り広げられるのだった―――。


回を追うごとに何が言いたいのかわからなくなる四畳半ストーリー。
ちふみからのリクエストは2つあって、もう1つが「オヤジーズ天国編」でした。
なんでこっちにしたかは…う〜ん、果たして天国でヴィクとユーが同じ世界にいるか確信が持てなくて(笑)
いや、だってユーだし…あれだけ悪行働いておいて天国に行ったなんていったら、出会ったヴィクが「なぜ貴様がこっちに!?」って目くじら立てるの必至だし…あ、そーゆー話でも良かったのか。
何にせよ、小さな四畳半の城で相変わらずラブラブ街道まっしぐらの2人。
勢いだけで書いてると言われても言い返せないぐらい、毎回行き当たりばったりで書いてます。
ちなみに今回はタクミさんの地元が新しいゴミ分別法で大変なことになってるのが背景…心境はまさにユーです。
そんなわけで、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

 

 

 

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