『幸せのカタチ』 Written by Takumi


 暗闇の中。
 隣から聞こえる規則正しい寝息。
 頭の下に敷かれた腕枕。
 それら全てにドキドキして、俺は一向に眠たくならない。
 仕方なく寝返りを打って、隣で眠る男の寝顔をじっと見つめた。
(やっぱ……いい男だよな………)
 悔しいが、認めずにはいられない。
 漆黒の艶やかな髪。今は瞼の奥に秘められた闇色の瞳。
 すらりと通った鼻筋に、形のいい唇。
 普段は毒舌と鋭い視線の持ち主だが、そんなことが嘘のように今はただ安らかに寝息を立てている。
 表情がないぶん、奴の端整な顔立ちが際だつようだった。
「俺だってあと2年経ったら………」
 こいつよりもいい男になってるはずだ。
 撃墜の腕だって、今に奴を追い抜いてやる。
 そんな希望を胸に抱き、リックは再び目を閉じ眠りに集中した。
 やがて腕枕の主の寝息と重なるように、穏やかな寝息があがる。
 暗闇の中、幸せそうな音が部屋を満たした。
 するとふと、それまで腕枕をしていたロードの瞳が開き、隣で寝るリックを愛しげに見つめた。
 その漆黒の瞳の穏やかさは、普段の彼からは想像もつかない。
 やや寝乱れたリックに苦笑し、ロードは気だるげに漆黒の髪をかき上げた。
 その手がリックに掛け布団をかけ直してやり、彼の額にかかった前髪を軽く払ってやる。
「お前はそのままでいいんだよ」
 囁いたと同時に覗いた額に軽くキスをし、再び眠りにつく。
 やがて何事もなかったように、2人の寝息が静かに重なった。
 幸せを形にした、そんな夜だった―――。


あ、甘甘だからいいかな〜、と思って載せてみたロード&リック(爆)
すまん……もう健全小説は品切れなんだ(爆死)
ということで、ぎりぎりボーダーラインを下回ってるやつを選んでみたつもりなのだが……セーフ?(笑)
穏やかな2人ってのが見たかったんだよね。
ドリームと言われようと、ホモと言われようと、いつかお互いが『安心できる場所』になってくれたらいいな〜、と思ってます(笑)ええ、密かに(笑)
だからそれもその夢の欠片なの……見逃してくれ(-_-;)
ちなみにロードの隠れた優しさなんかが、俺的にツボです(笑)

 

 

 


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