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『禁忌』 Written by Takumi
兵舎の廊下を荒々しい足取りで自室へと向かう。
思い出すだけで自然頬が赤らんだ。
「あの……バカが………ッ」
悪態をつくと同時に先ほどの出来事がまざまざと蘇る。
夕飯後呼び出された、奴の部屋で。
いくら油断していたとはいえ、突然きつく抱きしめられ、唇を奪われ―――。
耳元で甘い睦言を囁かれながらの、だが性急な情交はいつものような快楽をたやすく与えてはくれなかった。
いや、むしろ行為を済ませた今もなお、内蔵をえぐられるような感触を感じずにはいられない。未だになにかがソコに挿入されているような異物感を覚える。
「くそ………」
イヤだと言ったのに。もう、やめてくれと何度も。
だが奴はいつも通りの笑みを浮かべ、甘いキスを交わすことでそれらを全て無視した。
拒否の言葉を発する度に、耳元で『可愛い』と囁かれた。
はじめはついばむようなキスだった。
それが次第に深まり、腰を掴んだ右手が下肢に伸び、ソコを握られたあとは抵抗する間もなく高見に追いやられた。
視界が真っ白になった瞬間、声を詰める。何かが背筋を駆け抜けると同時に奴の掌に精 を放っていた。放ったそれにまみれた掌を目の前でさらされ、思わず顔を背けた自分を見て嬉しそうに笑ったロタール。クスクスと声をあげながら、これみよがしにソレを舐めた。
何度思い返しても恥ずかしさで死にそうになる。
奴の部屋から解放されてもその想いは変わらず、おかげで先ほどから廊下を踏み抜く勢いで歩いているのだが。
今なお、体中にそのときの匂いがまとわりついているような感覚がして気持ちが悪かった。
早くシャワーを浴びよう。
そう思い更に歩調を早めたとき、
「おっ……と………」
廊下の角を曲がりきったところで、反対側からやってきた誰かとぶつかった。思わず数歩よろめいたところを、とっさに伸びてきた華奢な腕に助けられる。
「ああ、すまな………た、大尉!」
「やあ」
先ほど自分を陵辱した主とよく似た顔立ちの、マンフレート・リヒトホーフェンが例の人当たりの良い笑顔を浮かべ自分を支えてくれていた。
「も、申し訳ありません!」
すぐさま姿勢を正し、かかとを打ち鳴らす敬礼を取った。だが突然の出来事に、鳴らした音もいまいち。
まさかこんなところで大尉に会うとは思いもしなかった。
自然、身体が震えた。
今の今まで彼の実弟と身体を重ねていたのだ。後ろめたさはいくらでもある。
「珍しいね。もう消灯はとっくに過ぎたというのに」
「は、はい。喉が渇きましたので水を取りに。……大尉の方こそどうかなさいましたか?」
邪気のない笑顔に嘘で対応する自分が申し訳なくて、つい話題を相手へと向ける。
するとやや小首を傾げるように、上目遣いで見上げてきた大尉がその形良い唇を開いた。
「いや。私の方もちょっと用があってね」
それから、ああ、と言葉を続け、
「聞きたいことがあったんだが、明日の予定は何か入ってるか?」
「明日、ですか?……いえ、特には」
「そうか。なら明日、悪いが出撃してくれ。一名、どうしても出られそうにない」
「わかりました」
ホッと一息つく。
いつもと変わりない、ごくありふれた上司と部下の会話だ。ロタールのことはばれていない。
そう思い、会ったときと同じように敬礼し、お互いすれ違うはずだった。
いや、そうなるべきだったのに。
背後で独り言のように呟かれた言葉に、思わず足を止めた。
「……それともう一つ、聞きたいことがあるんだが」
「え………?」
振り返ろうとしたところを突如背後から首根っこを捕まれ、ものすごい力で壁へと叩きつけられた。
なに、と思う間もなく華奢な身体がのし掛かってくる。
耳元で優しい、それでいて底冷えのするような声音が囁いた。
「どうしてお前の身体からロタールの匂いがするんだろうね?ヘルマン」
「……ぁ…………」
ばれた。
そう思う恐怖からガクガクと身体が震えた。
耳元に唇が寄せられる。息がかかる。あと少しで触れる距離。だがそれが更に恐怖心をあおる。どんな表情をしているのかさえ、この位置では見えない。
「これ、は………」
「いつ、私が他の男と寝ていいと許可を出した?」
「そ…んな……私は………」
「お仕置きが必要だね」
それはひどく優しい声で、残酷な台詞を囁いた。
抵抗する間もなく突如ベルトをゆるめられる。慣れた手つきがジッパーを下ろし、ソレを掴んだ。
「………っく!た、いい……」
「いけない子だ。もうこんなに濡らして……それとも、ロタールは後始末をしてくれなかった?」
行儀の悪い子だね、とクスクス声をあげる。だがいつもなら緊張を和らげるそれも、今は恐怖以外のなにものでもない。どうせなら怒鳴り散らし、力の限り殴られるほうがずっとましだった。
「……いっ………!」
突如、なんの前触れもなく指を突っ込まれた。ズボンは既に足首までずり落ちている。
「たいい……やめて、ください………」
「ロタールは良くて、私はダメなのか?」
「そうではなく……っつ!」
グイッと弱い部分を刺激され、たまらず身体を弓なりに反らせた。握られた部分も急激に質量を増す。
「ここがいいって、ロタールは知ってる?」
それを満足そうに眺めているのだろう大尉が、耳元でいやらしく囁いた。普段の温厚な彼からは想像もつかない激しい部分がちらつく。
それと同時に、先ほどと重なるいくつかの接点。やはり兄弟なのだと否が応でも知らされる。
たとえばこうして、まずは言葉で追いつめるところ。
ソコを刺激する際の癖がどことなく似ている。耳元で囁く仕草も、ついばむようなキスを好むところも。行為の端々に、奴の、ロタールの影を思い起こさせる。
「……………なにを考えてる?」
ふと、堅い声音に我に返った。いつの間にか、真顔の大尉が目の前。
その静かな怒りを抱いた瞳に射すくめられ、言葉に詰まった。まさかロタールのことを思い出していたなんて、口が裂けても言えない。
だがそう思うよりも先に察した相手が皮肉げな笑みを浮かべた。
「ロタールはそんなに良かったか?」
「なっ………」
反射的に言い返そうとしたところをソコを強く握られ息を飲んだ。
「っく……やめ………」
身体を身じろごうとしても、その華奢な身体のどこにこれほどの力があるのかと思えるような力強さで壁に押さえつけられる。
「いいかい、ヘルマン」
唇が今にも触れ合いそうな距離で、一言一言を噛みしめるように発する大尉の顔にはいつもの笑みが浮かんでいた。だがそれがよけいに恐怖心をあおる。
「は…い………」
「今夜は私の部屋で一晩中可愛がってやろう」
言い終わると同時に満面の笑みを浮かべ、掴んだ手の動きを早めた。
「あっ…あっ……ン…く……ッ」
断続的に声が漏れる。追いつめられる。見知った感覚が身体を襲った。
「やめ…お願いです……た、いい……クッ!」
瞼の裏にフラッシュがたかれる。ほとばしるそれを感じ、言いようのない快楽が走り抜けた。
「っく……んぅ………」
余韻にたまらず声があがった。呼吸は乱れっぱなし。肩で整えるにも限度がある。
立っていられずズルズルと壁にすがり、しゃがみこんだ。
「ヘルマン」
優しく名前を呼ばれ、うっすらと目を開くと、目の前で満足そうに自らの手を汚した白濁色の液を眺める大尉がはるか頭上。
「た、いい………」
かすれた声で呼ぶ。このまま意識を手放してしまいそうだった。
だがそれを許さないとばかりに頬を軽くひっぱたかれる。
「眠るにはまだ早いよ」
潰れそうに重い瞼をなんとか開くと、優しく笑いながら掌のソレを舐め取る大尉の姿に、ああ、と思う。
やはり彼らは兄弟なのだと。
血が繋がっているのだと、遠のく意識の中で再び知らされる。
だとすれば。
そんな2人と関係を持つ自分はどれほどの禁忌を犯しているのだろう。
罪を償う言葉を探す前に、だが意識は頼りなく身体を離れていったのだった。
なんだかとってもサドなバロン(笑)
しかもなんでこんなに似合うんだか……本性?(笑)
くぅぅ〜〜、しかし相変わらずゲーリングの可愛いこと!!(>0<)←死ね
男2人の間に挟まれ、その愛に揺れる男心!ゲーリングの明日はいかに!?ってところか?(笑)
いいね〜、まるで昼メロのような展開じゃないか(笑)
個人的にはロタールにもっと頑張って欲しいと思うのだった……いつか兄弟対決を(笑)
さて、かもさんの反応はいかに!?
しかしここにきてはじめてそれっぽい系統の文章になったな……久しぶりじゃん(笑)
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