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『幸せの在り方』 Written by Takumi


 カーテンの隙間から入り込む朝日。
 ちょうど目元に落ちてくるそれに眠りを邪魔される。
「う……んぅ………」
 避けるように寝返りを打った。まだ寝ていたい。
 だがそれを許さないと言うように、伸びてきた掌が軽く頬を叩いた。
「……マン…ヘルマン………」
 誰かが自分の名前を呼んでいる。甘い、優しい声。
 聞き慣れたそれはなんて耳心地いいのだろう。フカフカのシーツに身を預け、うっとりと半覚醒の頭でそんなことを考える。
 だがふと、唇に吸い付いた奇妙な感触にうっすらと瞼をあげた。途端、それを認めた相手がやんわりと両頬を挟み込み舌を絡ませてきた。
「うっ…んん……ちょ、……い……」
 目覚めのキスと言うには濃厚すぎるそれに、さすがに眠気も吹っ飛んだ。
 いったい、なにが起きたのやら。
「おはよう、ヘルマン。よく寝れた?」
 日の光を受け、爽やかに笑う大尉が目の前。
 瞬時に、昨夜のことが思い返され耳まで赤くなった。そうだ。昨日は、久しぶりに彼に誘われたのだ。夜の相手に。
 彼との情交は過去に何度か行われていた。だが最近はなんというか、その……ご無沙汰で。
 なかなか誘ってくれない彼に不安になっていたところを、狙ったように声をかけられた。
 お前の身体が恋しい、と会議中に耳打ちされ。
 首まで真っ赤になった理由を言い訳するのには随分と手間取った。でもまさか、あんなところで言うとは思いもしなくて。
 その分、深夜こっそりと彼の自室を訪れたときにはノブに手をかける前に悟ったように彼の腕が自分を掴んで、自室へと引っ張り込まれ、すぐさま熱いキスを交わした。
 待ちきれないと言うように、絡みつくような熱気を彼の身体から感じてホッとする。
 だがクラクラするような、久々に味わう彼の舌の熱さにすぐにも身体は達してしまいそうで。
 そんな自分を抱きしめ、何度も耳元で「可愛い」と言われた。
 そのときのことを思い出して、再び頬が赤くなるのを感じた。
 恥ずかしい。
 彼を前にするとまるで少女のように恥じらいばかりを覚える自分が情けなくて。赤面した顔を隠すように俯いたところを、だが伸びてきた腕にクイッと顎を捕まれ持ち上げられた。
「どうした?」
「いえ……別に………」
「昨夜のことを思い出してた?」
 言われ、これ以上赤くなりようがないほど身体を火照らせた。まるっきり図星だ。
 そんな自分を楽しそうに眺める大尉が優しく髪をなでる。
「昨夜のお前は最高だったよ……何度も途中でお前より先にイキそうになった」
 お前がきつく締め付けるから、と耳打ちされれば、もう言い返す言葉など見つからない。
 言葉に詰まった自分を見て再び大尉が喉奥で笑い声をあげる。
 やや籠もったそれに、昨夜の熱い吐息を思い出す。耳元で何度も「いい」と囁いた、声。
 触って、とねだる甘い声。
「う、わ………」
 自分の考えにドッと汗が出た。動悸が激しい。一体朝からなんてことを考えるのだろう。
 欲求不満なわけではあるまいし。なんたって……その……6回はやったんだし……。
 ああもう!だから、そういうことを考えるなって!!
「そう恥ずかしがらなくてもいいだろう」
 ポンッとやや筋張った手に頭を撫でられる。彼には自分の考えていることが丸わかりのようだ。それもそれで問題有りだが。
「そうは言いますが………」
 つい口ごもる。やはりいくら事実でもそう口にして欲しくはない。ああいうことは、ひっそりと夢事のように心に秘めてほしいのに。
「お前も感じたし、私もこれ以上になく感じた。それでいいじゃないか」
「大尉!」
「あははは………」
 恥ずかしさを紛らわすように怒鳴ったところで、シーツごと抱きしめられた。
 好きだな、と思った。
 こうしてぎゅっと抱きしめられるのも、軽いキスをされるのも、なにもかも。
 相手が大尉であると思えば、それはとてつもなく綺麗で気持ちのいいものになる。
 誰でもいいんじゃない。
 大尉だから。相手が、今目の前にいる彼だから、許せる。感じられる。応えられる。
「ん………」
 軽く触れた唇はすぐさま離れた。
 だがそれを追うように、腕を伸ばして首を絡め取った。引き寄せ、深いキスをねだる。
「悪い子だ。いつそんなことを覚えた?」
 耳元で囁かれ、耳たぶを甘噛みされる。ぞくっと背中に走ったのは快感。
「……ぁ……ん………」
「ヘルマン」
 心地よい声で名前を呼ばれれば、身体はまるで呪文を唱えられたかのように開く。熱くなる。なにも、考えたくなくなる。
「た、いい……」
 瞼の上に、優しく唇が押しあてられた。暖かいそれに、涙が出そうな幸せを感じる。
 外は戦場で。
 自分たちは明日にでも死んでしまうかもしれないのに。
 この瞬間の幸せは、なにものにも変えられない。変えたくない。
「マンフレート、と……」
 再び囁かれる。愛しい声。どうにかなってしまいそうな、甘い声音のそれに涙が溢れた。
「マンフレート、マンフレート……ッ!」
 狂ったように名を呼ぶ。力の限り、相手を抱きしめる。
 掌から伝わる体温。たしかな存在。鼓動、呼吸、体臭。
 それらすべて、彼という人間が存在する証拠だというのに。
 幸せであることに間違いはないのに。
 不安だけが、消えない。
 いつか、この人が目の前からいなくなった瞬間を思って。そのときの自分を思って。
「どうした、ヘルマン」
 怪訝そうな声が聞こえた。それを認め、ただ首を振る。
「なんでもない……なんでも、ないんです………」
「…………そうか」
「すみません……」
 彼の肩口に頭を預け、静かに涙を拭った。
 静かに、頭を撫でられる。背中を、さすられる。
 そんな些細な、小さないたわりが嬉しい。
 彼を感じられる、そんな小さな交わりがこんなに嬉しい。
「好きです」
 頭を預けたまま、小さく囁いた。
「え……?」
 聞き直される。それを苦笑することで受け止めた。
「なんでもありません」
 こんな台詞、自分らしくない。
 言うときは。
 きっと、あなたと最後の別れをする、そのときにでも。
「よし、じゃあ朝食でも食べるか」
 涙のおさまった自分を認め、軽い口調で言った彼に、やっと笑顔を浮かべることができた。
 朝日はもう、さっきより明るい。
 今日も最高の飛行日和だ。


6回もヤッたんだ……(=w=)
という感想しかでないのだがね、俺的には(爆笑)
バロン=絶倫説をこのへんでプッシュしておこうかな(笑)←やめろ(-_-;)
ああでも、やっぱりゲーリングって超可愛いよ!!絶対嫁にしたいタイプ!!(笑)
すぐ嫉妬したり一人で悶々と考えちゃうところがなんとも言えずラブリー!!(>0<)
ゲーリングファン、最近多いみたいだからこんな彼はどうでしょう?(笑)…………だめ?(^-^;
なにはともあれ、どこが幸せなのかわからない、むしろ不幸を背負ったゲーリングになってしまいましたが。
不幸のあとには幸せが待ってるってね♪
かんかん、こんな感じでどうよ?全然笑いが入ってないところを不満に思うかもしれないがね(爆死)
ま、リベンジは次の切り番で取ってくれたまえよ……。
なにはともあれ、楽しんでいただければ幸いm(_ _)m

 

 

 

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