A happy new year!
Have a good time!
『蠱惑的な君』 Written by Takumi
「キス…して……」
潤んだ瞳でひしとこちらを見つめる彼。
その姿に下半身が素直に反応したのは男として当然のことだと思う。
同性というハンデを見ても、この可愛さは無下にするにはあまりに濃厚すぎた。
「ねぇ……」
熱い吐息。囁くように呟いて、乾いた唇をわざと舌先で舐める様子に唾を飲む。
腕が伸びてくる。何かと思えばそのまま首に絡みついて、しとどに身体をもたれてくる彼が間近。
「…暑い……」
胸板に頭を預けながら、微かに頭を振った。
シャツ越しに感じる髪の感触、頬の柔らかさに勃ち掛けた下半身が勢いよく上を向くのがわかる。
「ラファエル!」
半ば悲鳴に近い声を上げて、しがみついてくる彼を剥がそうと両肩を掴んだ。
途端、
「痛っ……」
堪えるような声に慌てて手を離す。すみません、と謝れば再び潤んだ瞳が間近に迫る。
ううん、と首を振って宙に浮いたままの手を取られた。
微かに汗の浮いた手のひらの感触。無意識に、動悸が激しくなった。
「……乱暴、していいよ」
もっと酷くして、と囁く彼がシャツの前あわせを自ら開く。
ボタンを上から順に外して次第にあらわになる肌。思った以上に瑞々しい、きめの細かいそれに目が離せない。捕まれたままの手のひらがじっとりと汗ばむのがわかった。
「ね……」
全てのボタンが外し終え、微かに開いたシャツの隙間から乳首が覗き見える。
外気に晒されてか、微かに立ったソレ。いつの間にこんないやらしい身体になったのだろうと、呆然としながらも舐めるような視線を投げかけていた自分に気づき慌てて俯いた。
「さわって…」
耳元で囁かれた声。
ふと顔を上げれば、握られた手のひらをゆっくりと自らの乳首へ誘導する彼と目が合った。
「……あの」
「んっ…」
手のひらがソコを覆った途端、微かに上がる声。
触れた乳首が手のひらの下、堅くなるのがわかった。
なにをしてるんだろう、自分は。
冷静に状況を判断する頭は残ってるのに、その片隅でこのまま彼を犯したいという欲望も確かに存在して。
「はや、く……」
上擦った声にせがまれ、あえなく理性に白旗をあげる自分を自覚した。
「どうしてほしいんです?」
声が漏れないようにと、彼と同じように囁けば潤んだ瞳が涙を浮かべて見つめ返す。
「指、濡らして…それでいじって……」
目元が赤いのは羞恥からか。
わかったと、言われたとおり自らの指先を口に含もうとしたところで、違う、と制止の声が入る。
「俺が…舐めるから……」
言い終わる前に唇が開いて、しっとりと指先をくわえ込んだ。
その間身体を移動して、こちらの片足をまたぐようにして座り込む。
「…………」
太股に当たる堅い感触。彼も十分その気なのだと、わかったところで無性に安堵した。
彼に迫られる間、幼児虐待という言葉がずっと頭を巡っていたからか。
もう幼児という年齢はとっくに過ぎた青年が相手だというのに、普段の無邪気な彼の様子が頭を離れない。
だからこそ今、たとえ彼の方から誘われたのだとしても、自分が彼を陵辱しているという気持ちが抜けきれなかった。
「も、いいよ……」
唾液で濡れた指をうっとりとした視線で眺める彼。
請われるままにその指先でシャツの前合わせをかいくぐり、潜む乳首に触れてみた。
「……ぁっ…」
戸惑うような声。よじらせた身体が更なる刺激を求めて前屈みになる。
く…と堅くなったソレを親指で潰すように触り、今度は人差し指を使ってつまむように弄る。
その度に上がる掠れた、上擦った声が耳を刺激した。
いや、耳だけでなく反応は確実に下半身にも表れて……。
「……辛い、よね」
俺ばっかり気持ちよくてごめん、と不意に顔を上げたラファエルが申し訳なさそうに目を伏せた。
思った以上に長い睫毛。そんなことにすら感動してしまう自分。
だが俯いたままの彼がごそごそと手を動かし、ズボンをくつろがせようとしているのを知ったときにはさすがに声が上擦った。
制止の声を上げようとしたところで、真摯な瞳の彼と目が合う。
「……させて」
お願い、と桜色の唇が動く。
その様子に唾を飲み込んだのは無意識。このまま身体を組み敷いて犯してしまいたいと、瞬間的に願った自分に気づいて慌てた。その一瞬の隙をついて、彼が完全に勃ち上がったソコを一気にくわえ込んだ。
「……っ…」
やめろ、と言いかけた唇がそのまま歯を食いしばる。
なんて快楽。なんて刺激。
どこでそんな方法を習ったのかと、思わず問いつめてしまいたくなるほど巧妙な舌遣いに眉根を寄せた。
「ふ…う……」
根本に絡みつくねっとりとした感触。かと思えば先端だけをくわえ込み、茎の部分を手のひら全体で優しく扱き上げる。
普段の彼からは想像もつかない、淫らな仕草。
そうする間も自ら興奮しているのか、微かに浮かせた腰をゆらゆらと揺らし時折こちらの太股に股間部を擦りつけてはその刺激に声を詰まらせていた。
「…ん、…う…」
くぐもった声は口腔内のソレが更に重量を増したからで。
飲み込めない唾液がその口端からだらだらと流れ、幹を伝って更なる快楽を与えてくる。
扱かれるという即物的快楽。
相手を気持ちよくさせているという悦楽的快楽。
互いの快楽を認め合いながら、次第に限界に近いところに上り詰めているのがわかった。
「……もういいから」
その肩を押し、銜えていたモノを引きずり出させた。
ぁ…と物足りない声を上げたのは演技か、はたまた本音か。
口端に微かについた精液の名残を指先でぬぐってやり、片足を跨いでいたすね毛の薄い足を舌からすくい上げるように撫でた。
「……ぁ、ん…」
ビクッ…と大袈裟に身体をすくませた彼。
そのままやわやわと素足の感触を楽しみ、膝から太股をじっくりと何度も往復する。
「や、だ……」
焦らさないで、と微かに腰を振る様子に弾けそうな理性を精一杯くい止めて、
「身体ごと…」
跨いでみろ、と強引に腰を掴み足を大きく開かせて身体を跨がせた。
まるで彼が自分を犯しているような、そんな体位。騎乗位だった。
「や……」
恥ずかしい、というように顔を伏せる彼。その顎を強引にとらえてキスをした。この日初めてのキス。
しっとりとした唇の感触を楽しみながら、目の前にちらつく彼の下肢を軽く撫でて楽しむ。
その度にびくびくと痙攣に近い反応を返す身体が悲鳴を上げたのはすぐ。
「ちゃんと…さわって……」
涙声。見上げれば潤んだ瞳から一筋、涙がこぼれるところで。
「もっとしっかりお願いしたら…」
ついそんな意地悪を言ってしまう。
やだ、とその言葉に緩く首を振る彼の様子に再び自分の中心が熱くなるのを感じながら、焦らすように勃起した状態のソコを軽く握った。
「ぁ…ん……」
それだけで先端から滴がこぼれ落ちる。震える幹がもっと触ってくれと自己主張する。
「どうしました」
「も…やだ……」
問いかければ、ついにポロポロと涙を流す彼が肩口に額を押しつけてきた。
虐めすぎたか。
さすがの様子にやや反省し、仕方ない、とばかりにその首筋に軽くキスをする。
握ったままの先端を一度離し、その手を後ろへと移動し、
「……ぁ、…」
「こちらの方が良いんでしょう」
熱い収縮を繰り返す後ろをゆっくりと指先でなで上げた。
「あっ…ぁ、ん……」
ほんの少し先端部を入れただけで反り返る身体。
ほぐす必要もないほどとろとろにとろけたソコは、熱い塊が穿たれるのを今か今かと待ちかまえている。
「はや、く……」
それを察したように、目の前の彼が軽く腰を浮かしてソコに起立したものが当たるよう位置を変えた。
接触した部分がじんわりと熱い。
「ねぇ……」
懇願する彼が首を傾げて小さなキスをした。
蠱惑的な仕草。
この誘いを断る口上を、自分は知らなかった。
行くぞ、と耳元でしがみついてくる彼が愛しい。
ぐいっと腰を動かした。飲み込まれる瞬間の快楽。圧迫感。
悲鳴に近い声を上げる彼。必死に自分の名を呼ぶ様子がたまらなくて、思わず口走った一言。
――愛シテマス――
「……リヒ、エーリヒ?」
耳元で何度も囁かれる声にハッと目を覚ます。
目の前には呆れたような、それでいてこちらを慈しむような眼差しの妻がいた。
「仕事のし過ぎじゃない?昨日も遅くに帰ってきたんでしょう?」
「あ…ああ……」
よろよろと身体を起こし、額に浮かんだ汗を袖口でぬぐう。寝汗が酷かった。
「疲れてるのよ。お休みはもらえないの?」
気遣う台詞に我に返る。
ここは自分の寝室で、昨日帰ってからここには自分一人がいて。
「大丈夫?ボーっとしてるけど…」
妻の声に慌てて笑みを浮かべた。乱れた前髪を手櫛で整える。
「あ、うん。そろそろ取りかかってた仕事も終わるし、週末にはゆっくりできると思うから」
嘘だった。
だが事実を知らない妻は、そう、と納得した顔で階下に降りていく。
その様子を認め、ゆっくりと疲れた手でシーツを剥ぐ。
途端、がっくりと頭を垂れた。
シーツに潜んだソコは、しっかりと天を向いて自己主張していた。
エーリヒ・シュレンドルフ。
まさか初夢が上司の息子に誘われる夢だとは、口が裂けても言えない散々な年明けだった。
最低な終わり方トップ3に入る「夢オチ」でございます(爆)
皆様、新年明けましておめでとうございます。新年早々こんなネタを公の場にUPする俺ですが、今年も当HPを宜しくお願いいたしますm(_
_)m
ということで、なぜか気がつけば誘うラファエル、誘われるエーリヒという感じの話になってしまいましたが。
最後の最後までラファの相手を誰にするか悩んで、途中天バカのロード&リックにするか、とまで考えながら結局エーリヒに白羽の矢が立ちました。
単に虐めがいのあるキャラだからということかもしれませんが…。
なんというか、健全なネタも良かったんですけどやはり俺がするならこのぐらいは…なんて妙な気合いがありまして。
張り切って書いてしまいました(爆)
ラファが女臭いってのはこの際不問にするとして…。
少しでも楽しんでもらえれば幸いですm(_ _)m
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