雷鳴』 Written by Takumi


雷が怖いと言って訪れた彼の部屋。
文句を言いつつも黙ってベッドの隅を空けてくれた背中を眺め、声を掛ける。
「ねぇ……」
「………………」
答えはない。
眠っているのだろうか。
「起きてるんだろう?」
ヴィクトール。
名前を呼んでも目の前の背中はピクリともしない。
窓の外では相変わらず激しい雷が何度も夜の闇を引き裂いているのが見えた。
「ねえってば」
上半身を起こし、壁際を向いた彼を見下ろした。
秀麗な顔。
ユーベルメンシュだと言われればそれまでだが、整いすぎた顔にしばし見とれた。
「……ヴィクトール」
もう一度名前を呼ぶ。
同時に空が光った。
その瞬間、顔に影を落とした金色の睫毛が微かに震えたように見えたのは目の錯覚か。
確かめるように腰を屈める。
目前に迫った唇。
しばらく見つめたあと、軽く吸い付く。次いで舌先で唇を舐めた。
明らかに身体を強ばらせた身体に笑みを浮かべながら、そっと身体を離す。
「おやすみ、ヴィクトール」
耳元で囁き、元いた場所へと身を滑らせた。
再び空が光る。
だがもう、その光に怯えることはない。


うわ…みじかっ……!Σ( ̄□ ̄;)
そんな感じですね(笑)
しかも実のところ、某氏宛のFAXで書いたやつだったりする…どこまでも使い回す奴(爆)
俺のFAXは毎回こんな調子です。短いショートつき。
とはいえ、久々の王道はなんだかユージィン片思いみたいでいや〜んな感じになってしまいましたが(笑)
切ない系で納得してもらえると助かります(笑)
次回はもっとまともなモノを送るよ……<某氏

 

 

 

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